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まだ大学を卒業して間もない頃、
夢中になってた男の子と夜会。
どこへ行く~?
って車の中で話しをしてて
思いつきで名古屋から車を走らせる。
クラブのDJしてた彼は連日の寝不足で、
運転してね、
と言ったきり助手席ですやすや Zzzz
(爆睡、と書きたいけど、美しい寝顔の持ち主だったのであえて“すやすや”・・・)
着いた場所は人でごった返していたけど
美しい古い町並みと灯りに照らされる川
情緒にあふれていて。
そんな雰囲気の中で大好きな彼と手をつないで
歩いているという幸せな時間。
その日は場違いな服、靴を履いていた私。
ジュエリービーズで覆われたショッキングピンクのサンダル
川に足を浸しておしゃべりした後のこと。
石畳の階段を上って帰る時、
隙間にヒールがひっかかって・・・
サンダルを拾い上げて顔を上げた瞬間
チュっ♥
まるで映画の中の主人公になったみたいで。
かわいいキャラじゃない私は何でもない風を装ったけど
本当はすごく心臓がドキドキしてて、
きっと顔が真っ赤になってたはず。
あのサンダルはヒールをお直ししながら5年ぐらい履いたな~。
引越しを繰り返すうちにどこかへ行ってしまったけど、
ひと夏の出来事を鮮明に思い出させてくれるサンダルでした。